タイのロイクラトン祭りとは?

タイで行われるお祭りやイベントで、「ソンクラーン(水かけ祭り)」と並んで人気が高いのが「ロイクラトン祭り」です。

ソンクラーンは、タイ旧暦の伝統的な正月を見ず知らずの者同士が派手に水を掛け合って祝う騒々しいお祭り。一方のロイクラトン祭りは、親しい者同士が集って満月の夜に灯籠を川に流すという情緒たっぷりのお祭りです。

ロイクラトン祭りは、毎年タイ旧暦12月の満月の夜が開催日。今の暦だと11月頃にあたります。

今回の記事では、「ロイクラトン祭り」を話題に取り上げてみたいと思います。




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ロイクラトン祭りってどんな宗教行事?

「ロイグラトン祭り」は、タイ全国で祝われるタイ人にとって最も大事な宗教行事の1つ。開催日は毎年、雨季の終わり11月頃です。祭りの当日には、家族や恋人同士,親しい友人同士が川や運河,池などの水辺に集って思いを込めた灯籠を流します。

チェンマイに代表されるタイ北部では、コムローイ(天燈/ランタン),コムファイと呼ばれる熱気球を大空に放ちます。

ロイクラトンのタイ語は?

「ロイクラトン」は、タイ語の読み方そのものです。タイ語では「ลอยกระทง」と表記され「ローイ(ลอย)」には水に浮かぶ,空に浮遊する,漂うなどの意味があります。「グラトン(กระทง)」は、バナナの葉や紙で作った食器、すなわち灯籠を指します。

つまり、灯籠を水に浮かべて流すという意味になります。

ロイクラトンの英語は?

ロイクラトンの英語は「Loi Krathong(float a basket)」です。

2018年はいつ、毎年いつ開催されるの?

ロイクラトンは毎年、タイ旧暦12月の満月の夜に開催される行事です。グレゴリオ暦を採用している現在のタイでは通常11月にあたります。旧暦と現在の暦の関係から、毎年開催される日付がかわるので注意が必要。

2018年はいつ?

2018年の開催日は11月23日(金)が予定されています。

タイ旧暦は、タイ国王ラーマ5世/チュラロンコーン(1853‐1910)が、1888年にタイ太陽暦を導入するまで用いられていた太陰太陽暦。

1年は12ヶ月で、1ヶ月は29日か30日、平年で354日(8月小月)か355日(8月満月),閏年は384日です。

ロイクラトンの歴史とその想い

▲川辺で灯籠を流すタイ人

ロイクラトンには、いったいタイ人のどのような想いが込められているのでしょうか?

灯籠流しは、スコータイ時代に川の女神 「プラ・メー・コンカー(พระแม่คงคา)」に対して、収穫の時期が終わった事に対する感謝の祈りを捧げる目的で始まったと言われています。同時に自らの怒りや憎しみ,悲しみ,罪,汚れを水に流すことで精神を浄める意味合いがあるそうです。

タイ人は灯籠にそれぞれの思いを込めて水辺に放つと言われます。そして、自分の流した灯籠が遠くに見えなくなるまで見守ります。

現在では、恋人同士にとっては川面に流れる灯籠を見つめながら愛を誓い合うロマンチックな日でもありますね。

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ロイクラトンはどこがおすすめ?

▲灯籠流しの定番スポット「チャオプラヤー川」

バンコク

バンコクのロイグラトン定番スポットはチャオプラヤー川辺です。また観光客が行きやすい場所として、BTSスカイトレイン「プロンポン駅」そばにある「ベンチャシリ公園」があります。

幻想的なロイクラトンの風景を見たければ、おすすめの場所はやはりチャオプラヤー川。船着き場周辺、例えば「アジアティーク・ザ・リバー・フロント」,ショッピングモール「ターマハラート」,プラアティット船着き場などのスポットが点在しています。

川面に溢れるほどに流れる灯籠は見応えがありますよ。

チェンマイ

チェンマイでは市街地の東側を流れるチャオプラヤー川の支流の一つ「ピン川」が有名スポットです。

灯籠の素材は何?

▲バナナの葉、スライスした幹など天然素材から作られた灯籠

灯籠は環境に優しい天然素材のバナナや椰子の葉,キャッサバ,とうもろこし,パンなどから作られています。そして、花と線香,ろうそくなどで飾り付けます。容器には爪や髪,小銭など入れることもありますね。

なお、環境保全の観点から発泡スチロールなど合成樹脂から作られた灯籠は、年々少なくなってきています。

灯籠を川に流す

▲鮮やかで豪華な灯籠

祭りの当日、日が暮れると同時に川辺には家族,恋人,友人など多くの人々が灯籠流しの為に集まり始めます。川辺までの道のりは人がいっぱい。出店には大小様々な灯籠や飾りが売られています。

灯籠を買い求めたい場合は、すでに出来上がった灯籠、もしくはシンプルな容器と自分好みの飾りを買い自分オリジナルの灯籠にすることも可能です。

▲灯籠を流すタイ人女性

灯籠を入手したら岸辺からもしくは船を使って、ろうそくに火をともした灯籠を思いを込めて水面に流します。たくさんの灯籠が雨季の終わりに水をたっぷり蓄えた川沿いに流れていく様子はまさに感動です。なお、この時期のチャオプラヤー川は水量が多く落ちたら大変!灯籠を流す時には足下に十分ご注意を。

もし自分の流した灯籠が見えなくなるまでろうそくの火が点いていれば、幸運に授かれると言われています。

コンサートや出店

▲祭りにつきもののコンサート会場

灯籠流しが終わったあとの楽しみに、周辺の出店をぶらぶらと歩くことがあります。和気藹々としてとても楽しい雰囲気です。また、コンサートや美人コンテスト、花火の打ち上げなどで会場周辺は夜遅くまで盛り上がります。

灯籠の後始末はどうするの?

▲チャオプラヤー川下流でゴミとして回収される大量の灯籠

最後に多くの人々が大量に川に流した灯籠のその後の話です。

川に流れていく自分の灯籠を見届けた人々が帰路につくその一方、下流では大仕事が待ち受けています。そう、バンコクが頭を悩ましている大量の灯籠の後始末です。

下流では山となって浮かぶ大量の灯籠がゴミとして回収されます。バンコクでは、灯籠の削減策として1家族につき1つの灯籠を流すことを呼びかけるなど削減に努めているそうです。

バンコクのロイクラトン祭りのまとめ

この記事では、バンコクのロイクラトン祭りを中心にまとめてみました。いかがだったでしょうか?

ろうそくに火をともした灯籠はとてもロマンチック。是非、夫婦や恋人同士で体験してみて下さい!