タイエアアジアXのコストパフォーマンスは? ~ バンコク/ドンムアン-東京/成田搭乗記

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ほぼ満席の搭乗客を乗せた「タイエアアジアX」が9月1日、満を期して東京成田国際空港からバンコク/ドンムアン空港へと飛び立った。

タイエアアジアXは同日、大阪/関西国際空港-バンコク/ドンムアン間にも就航しており、首都圏、そして近畿圏からタイ・バンコクを結ぶLCCのバンコク直行便が同時に誕生するという記念すべき一日となった。タイエアアジアXのナダ・ブラナシリCEOは、成田空港での就航記念式典で来年3月26日から成田線を1日2往復のダブルデイリー化に、関西線を1日1往復のデイリーにそれぞれ増便するという、うれしいサプライズも明らかにした。

日本とバンコクを結ぶLCCの直行便は、今年6月のジェットスターアジア/福岡-バンコク間に続く就航。タイのノックスクートも両国間に路線を計画中だという。選択肢が増えて運賃も安くなれば旅行者にとってこれ以上喜ばしいことはない。




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タイ・エアアジアXのフライトスケジュールは?

気になる「タイエアアジアX」のフライトスケジュールは下記の通りだ。日付が変わる頃に関西国際空港に到着するXJ610便(バンコク/ドンムアン16:25発-大阪/関西23:50着)を除いて、空港へのアクセス、またその逆も概ね公共交通機関の利用に不便はないだろう。

■2014年9月1日~2015年3月25日

便名 出発 到着 フライト日
XJ600 バンコク/ドンムアン 01:00 東京/成田 09:15 デイリー
XJ601 東京/成田 10:30 バンコク/ドンムアン 15:05 デイリー
XJ610 バンコク/ドンムアン 16:25 大阪/関西 23:50 月水金土日
XJ601 大阪/関西 01:10 バンコク/ドンムアン 05:00 月火木土日

「タイエアアジアX」XJ600便に搭乗

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筆者はバンコク・ドンムアン空港から東京・成田に向かう、就航間もない「タイエアアジアX」XJ600便に搭乗した。XJ600便はバンコク/ドンムアン空港を夜中の1:00に離陸して、東京/成田空港に9:15に到着する深夜便だ。

バンコク市内の車での移動は時間が読めない。早すぎるくらいの移動が丁度いい。当日はバンコク・スクンビットで夜のはじめ頃まで過ごした後、ドンムアン空港までタクシーを利用した。幸いに大きな渋滞に巻き込まれることもなく小一時間で空港に到着することができた。

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出発ロビーの屋外には、エアアジア専用の自動チェックイン発券機が設置してあり搭乗手続きを済ませることができる。久々に利用するドンムアン空港内がどう変わったか楽しみにしていたのだが、残念ながらこの時間帯は営業時間外の店も多くチェックインカウンターを除いて閑散としていた。

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出国手続きを早々に済ませて、出国エリアに進むとタイではお馴染みの免税店「KING POWER」が真っ先に目に入った。案の定、ほとんどの店は閉店しており、搭乗口付近で暇を持て余すことになってしまった。

XJ600便の待機エリアでは見たところタイ人が多いようだ。搭乗時には秤で手荷物の重量をチェックされている搭乗客も見受けられた。機内持ち込み手荷物は7kg以内だ、注意が必要だろう。

タイエアアジアXのコストパフォーマンスは?

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XJ600便は、エコノミークラス365席、ビジネスクラス12席の合計377席からなるエアバスA330-300型機だ。革張りの座席がびっしりと並んだエコノミークラスは、前後のシートピッチに関してはフラッグキャリアと比べても遜色は感じられない。しかし、横3-3-3の配列になっている左右のスペースにゆとりがない。同型機を使用するフラッグキャリアの2-4-2の配列よりも明らかに座席幅が狭く窮屈な印象を受ける。

就航間もない話題の路線ということもあり、ほとんど空席もないようだ。筆者は今回、中央真ん中のF、両隣が男性という最悪とも思える座席を割り当てられてしまった。どちらか片側が小柄な女性であればまだよかったのだが、日本人の平均的体型であっても男性3人が並んだ真ん中の座席の圧迫感は耐えがたいものがあるだろう。肘を張られては尚更だ。結局、6時間を超える深夜便にもかかわらず、機内ではほとんど眠りにつくことができなかった。

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エアアジアのエアバスA330-300型機は何度か利用したことがあり、座席に関しては座り心地やスペースに大きな不満を持つことはなかったが、今回のフライトでは成田空港に着く頃には我慢の限界に達するほどだった。長時間のフライトでは、座席次第でとても窮屈で耐えがたい時間を過ごすことになってしまうことを実感した。

事前にwebチェックインを利用して、真ん中の席が振り当てられた場合は、座席指定オプションで窓側や通路側に変更するなどの対策が必要だろう。「エコノミークラス症候群」の懸念もある。しかし、1,700円の座席指定や20kgで3、000円の受託手荷物、食事などを加算すると往復で1万円を超える負担増になり、LCCの最大の売りである‘コストパフォーマンス’のメリットを享受できない。

今現在、成田発バンコク行きは直行便でなければフルサービスで4万円台前半からチケットの入手が可能だ。補償も手厚いし、マイレージプログラムも用意されている。そう考えるとLCC一択ではなく、レガシーキャリアとの比較をしながら目的に合わせたチケット選びが肝心だということを実感させられたフライトとなった。

■AIRBUS A330-300 エコノミー座席比較 (SeatGuru参照)

航空会社 シートピッチ(cm) シート幅(cm)
タイ国際航空 81 46
タイエアアジアX 81 42

(更新日 2014年10月5日)